取引スキーム図の自動作成におけるAI活用を検討|法務AI研究所 活動報告
新しい取引や事業について法務相談を受ける際、関係者や契約関係、モノ・お金の流れが複雑で、相談内容だけでは全体像を把握しにくいケースがあります。
こうした案件では、法務担当者が事業部門へのヒアリングを重ねながら取引の構造を整理する必要があり、認識のすり合わせにも一定の時間がかかります。
今回の法務AI研究所では、事業部門から寄せられた相談内容をもとに、テキストから図を生成できる記法「Mermaid」を活用して取引スキーム図を自動作成する方法が紹介されました。
AIが出力したMermaid形式のコードを対応するツールに入力することで、取引に関わる企業や第三者、契約関係などを図として表示できます。
生成AIに直接画像を作成させる方法と比べ、シンプルで統一された図を作りやすく、テキストを修正することで要素を追加・削除しやすい点も特徴として挙げられました

一方で取引相談の初期段階では、すべての情報が揃っていないことも少なくありません。
今回作成された仕組みでは、入力内容から確実に読み取れる情報と、AIが推測した内容を区別して表示するとともに、不足している情報や追加で確認すべき事項も洗い出します。
これにより、法務担当者は作成された図を事業部門に見せながら、
「この取引関係で認識は合っているか」
「契約はどの当事者間で締結するのか」
「商品やデータはどのように移動するのか」
といった点を確認しやすくなります。
研究会では、法務担当者が相談内容を整理する用途に加え、事業部門が取引スキーム図を作成し、認識を確認したうえで法務へ依頼する運用や内部統制やリスク評価の対象となるプロセスを可視化するといった応用可能性についても意見を交わしました。
今後は、実際の相談内容を使いながら、取引関係の抽出精度や不足情報の洗い出し方を検証し、法務担当者と事業部門の認識合わせを支援できる仕組みへ改善していきます。
法務AI研究所では、今回取り上げた研究テーマについて、今後も検証を重ねながら、セミナーやレポートなどを通じて発信していく予定です。
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